小説「陸王」感想とあらすじ。気持ちよく読み終われる良作!※ネタバレあり



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半沢直木の原作者でお馴染みの池井戸潤さん。最近では下町ロケットなんかもドラマ化されて知ってる人も多いですよね。
 
そんな池井戸さんの新作「陸王」を読み終えました。 
 
いやー。ほんとに安定の面白さ!!長くて深みがあるのにさくっと読めました。ただいつもよりちょっと悪役が弱いというか、平和なお話でした。ゆえに気持ちよく読み終えたんだけども!
 
ということで、感想とあらすじ、いってみます!
※ネタバレあるよ!気を付けて!

「陸王」あらすじ

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主人公「 足袋屋100年続けたけどもうこいつ古くさいし売れなくね?なんか新しいの作らないと店つぶれる!どうしよう…」
 
主人公「 …………はっ!!!閃いた!新感覚ランニングシューズ作ろう!名前は"陸王だ"!こいつの売りは"ケガしにくいのに速い"だ!」
 
主人公「 誰に履いてもらったらいいかな……あ!あの大企業のランナー、一回ケガして復帰の為に頑張ってるんだっけ。ケガしにくいってめっちゃ合うじゃん!よし!売り込むぞ!」
 
 

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大企業(ライバル会社)「 やっべ。なんかあの零細企業頑張ってる。陸王?ふざけた名前だ!うちの最新鋭ランニングシューズ"R2"が一番に決まってる!うちの会社にいるランナーに陸王使わせようとしてくるし…。俺ら大企業の相手にケンカふっかけてんのか!気に食わん!つぶすぞ!

 

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ケガしたランナー「 もうこの会社やだな…俺を金づるとしか見てない…ケガしたらサポート打ち切られたし…でも宣伝の為に"R2"使えっていうけど………。え?ケガしにくい靴?陸王?!めっちゃ俺のこと考えて作ってくれてるーー!それ採用!

 

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大企業(ライバル会社)「なんだってーーーーーー!!!???」

 

こんな感じ。
 
資金も人脈もないけど、選手のことを一新に考え抜くことで出来た足袋スポーツシューズ「陸王」
 
大企業ならではの莫大なデータや資金力で作った最新スポーツシューズ「R2」
 
一足のスポーツシューズを巡り社運をかけた戦いが繰り広げられる物語です。

「陸王」面白かった点

靴の知識無しでも楽しめる

本作は靴、具体的には足袋やスポーツシューズがテーマとなっています。
この辺のやつですね!
 
その一足を作るにしても、それぞれのパーツだったり素材だったり、作り方だったりランナーの特性だったり……色々なパーツが積み重なって出来上がっていきます。
 
でも一般人からすると、日常生活で靴の細かいパーツとか素材なんて知る機会ないんでチンプンカンプン…!!
 
…となると思いきや、そこは池井戸大先生。全く苦もなく読み進められる展開になってます。主に取り扱ってる銀行系の話もそうだけど、普段馴染みのない業界の話をさくっと読める文章にする力が突き抜けてますね。
 

正々堂々とした「企業同士の戦い」

池井戸さんの作品で多い展開って、ライバル会社や敵対する企業・人が不正を働いてる場合が多いです。かの有名な半沢直樹も、上層部の失敗を不正に擦り付けられた半沢直樹がギッタンギタンにやりかえすお話です。
 
それと比べて陸王は「不正をしてる人・企業」がいないんですね。当然企業間の戦いなので、相手の邪魔をする行動はあったりするんですが、まー犯罪チックなことはない。
 
なので本作品は今までに多かった「不正や悪事を働いた人・企業を懲らしめる」というより、「零細企業が孤軍奮闘して生き延びていく」というお話です。純粋に応援したくなる人が多くて、その努力や前向きな姿勢、正々堂々と戦っていく姿がぼく達にも力を分けてくれます。

勇気付けられる言葉の数々

前述のように、一生懸命な登場人物が多く、彼らの一言一言に勇気付けられたり、考えさせられる場面がたくさんありました。
 
・たとえうまく行かなくても、いま頑張ってるからこそ得られることだってあるでしょう。
 
・いいチャンスじゃないか。疑ってばっかじゃなく、たまには自分を信じてみたらどうだ。
 
・肉体的にも精神的にも追い詰められた中で自分の走りをしてこそ一流なんだよ。
 
・好きなことをやれ。見栄張ってカッコつけて、本当に好きでもないことをする人生ほど公開するものはない。
 
・人だよ。絶対に代わりが無いのは、モノじゃない。人なんだ。
紆余曲折ある物語の中で彼らがつむぎだす言葉、是非読んでほしい!

最後に

最近池井戸さんの本がでたらすぐ買ってしまうくらいハマってます。ほんとどの作品もぐっと来るものばかりなので、オススメですよー!
 
 
今日はここまでっ