そのリズムのズレ、バレてるよ!一般人の耳がめちゃくちゃ良い理由



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バンドやってると必ずぶつかり合うネタがあります。

「かっちりハマった完璧な演奏を重視する」vs「ライブのノリやパフォーマンスを重視する」

とにかくリズムも音程もズレずに完璧な演奏をしようとする人と、やっぱライブは生ものだからその場のノリでやろう!って人に分かれることが多いんです。

 

これ自体はどちらも間違った考えじゃないし、バンドそれぞれで重要とするものは変わってくるので正解はありません。

 

ただね。このネタの中でたまーにこんな話が出てきたりします。

「そんなに音質を重視してもお客さん分からないから気にしないで良くない?

「多少のリズムのズレなんてみんな気付かないから、ノリで行こうぜ!」

ざぁーーーーんねん!!

ごめん、それバレてるから!!!

実はお客さんって音質とかリズムのズレにめちゃくちゃ敏感だから!!!!

ってなわけで、なんでお客さんがどのように感じて、なぜ敏感なのかを解説していきます。

そもそも耳の役割って?

音楽をやる上で切り離せない五感。それは「聴力」です。

最近の音楽業界は、目で見て楽しむ要素も重要視されています。けど、音楽である以上、一番大事なのは間違いなく音であり、音を聴くには「耳」を使います。

 

で。

 

そもそも耳の役割ってなによ?Wiki先生によるとこんな感じです。

耳(みみ)は、動物の器官の1つで、音を適刺激とする感覚器であると同時に、重力の向きと加速度を適刺激とする感覚器でもある。

~中略~

なお、ほとんどの哺乳類(ヒトを含む)においては、五感を司る器官の中でも、耳は生まれたときすでに成体に近いレベルまで発達している。これは、外界の危険を感じ取ったり、親とのコミュニケーション(ヒトの場合、特に言語)を維持・学習するために必要だからと考えられる。

引用:耳 - Wikipedia

注目してほしいのは「外界の危険を感じ取ったり」という部分です。

ぼくは、これと音楽は超密接に関わってると考えています。

危険な音=不快な音

そもそも人の体は無駄がなく、超効率的に出来ています。なぜかって?そりゃー生き残る為ですよ。

生き残るってのは、危険を回避すると同義です。

まだ人が狩りをしてる時代では、五感を総動員して生き残ってきました。

  • 体に悪い食べ物はまずいと感じる。
  • 害がありそうなものは臭いと感じる。
  • 大きな物音は敵がすぐ近くにいるかもしれない、と聴力が鍛えられる。

このように、身の危険に繋がるものは脳が「危険だ!」と認知する信号を出します。これが痛みだったり、食べ物のまずさだったり、不快感だったりするわけです。

現代でも同じことは言えますよ。電車乗ってて「ガタンゴトン、ガタンゴトン、ガタガタ…ゴトン?!ゴトゴトガタン!!!」みたいになったら超絶あせるじゃないですか。

これは極論だけど、たとえば機械が正常に動いてるかどうかって音で判断することは結構ありますよね。壊れそうなものはキーキー言ったりするし。

逆に、安全なものは気持ちよさや心地よさを感じます。(※良薬口に苦し、なども言うので一概には言い切れないけど。薬と毒は紙一重だからかな?)

 

ということはですよ。

 

人間として生きている以上、気持ちいいかどうか、不快かどうか、という観点での聴力は全員備わっている。


そして元々は生命に関わる部分なので、その力はめちゃくちゃ強いってことです。

人の耳はめちゃくちゃ高性能

作・編曲家のこおろぎさんも以下のような見解を述べています。

人間はくり返される同一の音源を反射音、残響音として認識します。

その音から、音源からどのくらいの距離か、どんな素材に反射しているのか、など色々な情報を聴きとることができる。リバーブ、ディレイなどの空間系エフェクトはそれを応用して擬似的に残響を感じるようにしたものですね。

しかし、全く音質に変化がない反射音、残響音と思わしき音が耳に入力されたらどうでしょうか。自然界では全く音に変化がない反射音はありえない。

「ありえない数値が入力された」という風に感じられて、脳というコンピューターがエラーを起こすのではないのでしょうか。それが不自然、不快に感じる原因になる。

kohrogi.com

めちゃくちゃ納得です。

全く同じリズム・音量で連続して音が鳴るなんて現実世界では100%ありえません。
ごくごく僅かだとしても、若干の差があるはずなので、全く差がないのはおかしい!と脳が判断するんです。

でも普段音楽を聴いていて、若干の差があるんだな、なんて分からないじゃないですか。

だから気付かないけど、みんなが思ってる以上に人の耳は高性能なんですね。

理解できなくても感じている

話をバンドに戻します。

「そんなに音質を重視してもお客さん分からないから気にしないで良くない?」

「多少のリズムのズレなんてみんな気付かないから、ノリで行こうぜ!」

これはぶっちゃけると正しいです。
音質がいいとか、リズムがずれてるとかは音楽やってる人や鍛えた人、かなり聴き込んでる人じゃないと細かいところは分からない。

 

でも、「良い音楽かどうか」ってのは感じ取ってます。理屈じゃなく、五感で。

 

ご飯も一緒じゃないですか。感動するような美味しいラーメン食べても、どんなダシを使ってどんな調味料を入れてるかなんて一般人には分かりません。
でもうまいものはうまい。行列に並んでも食べたい。そう思うわけです。理屈じゃありません。やばいまた脱線した←

細かい部分は分からないだろうから、パフォーマンスに集中しようとかだと、演奏がガタガタすぎてお客さんが楽しいと思わない可能性は大いにあります。
というか、その違いがわかる自分たちが一番本気で楽しめないと思う。ぼくはそうです。

なので、アーティストである以上、演奏や音はガシガシ追求していくべきだとぼくは考えています。
間違っても「お客さんには分からないから」なんて発想はしちゃいけません。分からないお客さんですら惹き込む何かを身につけないといけないんです。

「んなこと言ったって、演奏ばっかに気を取られててライブのノリやパフォーマンスでないのはダメだろ!」

はい、正論です。ぼくも同感。なにもパフォーマンスを意識するなってわけじゃなりません。

ようは、ステージの上に立ってライブを行うときは、全力で楽しんで、音楽に乗って、パフォーマンスを意識するべきです。

けどそれ以外の時間は演奏、音にはこだわるべきです。その上でノリが出せるように、パフォーマンスを良くできるようにも研究するんです。

冒頭でも言いましたが、どっちが間違ってるとかじゃないんです。どちらもやらないと売れないんです……!!!泣

最後に

ちなみに、ライブの場の雰囲気に合わせたほうがノリがよくなって、練習よりいい演奏ができるってのは、ありえないです。
練習で出来ないことが本番で出来るわけないじゃん!!!
これ、言い訳に使われやすいのでお気を付けを…。楽しむ気持ちは大事だけど、頑張る気持ちも忘れないように…!

今日はここまでっ