バンドマンがライブでグルーヴを生み出す簡単な方法



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ライブをやるバンドマンが必ず意識する「グルーヴ」
 
意味についてはよく議論されますが、ぼくの考えでは「各メンバーが音を合わせた時に生まれるノリ」です。
 
多くのバンドマンも同じ考えや捉え方の人が多いはず。
 
では、どうやったらいい「グルーヴ」が生み出せるのか。バンドマンの永遠の課題ですが、最低限これをやっていれば生まれるだろうという方法があります。
 
今日はそれについて解説します!

グルーヴって何よ?

解説の前に、もう少しだけグルーヴについて掘り下げてみます。
 
みなさんが普段CDで聴いたり、お店やテレビで聴いている音楽は以下のどちらか、または組み合わせで録音され作られています。
  • 楽器を使ったレコーディング
    名前の通り実際に演奏した音を録る手法。理想の音、リズムを追い求めるため、様々な機材を使用し、時間をかけて何度も録音したりします。基本的には各パートが個別に録音して、後でその音を合わせる作業を行います(ミックスやマスタリング等)
  • コンピューターを使った打ち込み
    今の時代はコンピューターのみで音を作って演奏させるのも当たり前になってきました。一番イメージつきやすいのは初音ミクなどのボーカロイドですね。それまでも楽器が打ち込まれることはありましたが、ボーカルまで打ち込まれるとは…と、出始め当時は衝撃を受けましたね。
生音の楽器じゃない電子音は当然打ち込みで、レコーディングの手間や質を踏まえるとドラムも打ち込みになることが多いです。
 
反面、打ち込みじゃ生っぽさを出し切れない(または難しい)ギターやボーカルは実際に演奏したり歌ったりして録音します。
 
 
さて。この辺りは別に特別なことではなく、すごく当たり前のお話をしました。
 
話題をグルーヴに戻します。
 
先ほどグルーヴについて「各メンバーが音を合わせた時に生まれるノリ」と話しましたよね。
 
もうちょっと詳しく言うと、「各メンバーが演奏したときの若干のブレや強弱を気持ちよく合わせた時に生まれるノリ」です。
 

各々の個性によるブレからグルーヴは生まれる

CDになっている音源は、基本的に完璧に作ろうとします。強弱を理想通りにしたり、ブレを無くしたり、音程を完璧に合わせたり。これは品質を重視するうえで当然だし、その品質で常に歌える・演奏できることが理想です。
 
そのために何度もレコーディングしたり、音を合わせる作業で調整したりします。
 
ただ、人間は機械じゃありません。毎回完全に同じ強弱、リズム、音程で歌ったり演奏するのは難しいです。ほんとに僅かながらでもズレたりします。
 
ちなみに、ここでいうブレは、ミスのことではないです。ズレてるんじゃないんです、ブレてるんです。合ってはいるけど、ほんと若干の揺らぎがある、という意味です。
 
例えば音符の「ド」という音も、音程に範囲があるんです。極端に言うと、ド(1~100)みたいな。1がちょっと低くて、100がちょっと高い、というイメージですね。
 
ここで、毎回ド(50)の音を出せるのが機械。でも、実際歌ったりするとド(49)とかド(53)とかなったりします。
 
このように、音程が間違っているわけじゃない、でも若干のブレ、揺らぎがあるんですね。
 
料理で例えると、同じ人が同じレシピで作ってもほんのちょっぴり味の濃さが変わったりとかあるじゃないですか。調味料の入れ具合とか、焼き加減とか。それと同じですね。焦がしちゃったりすればミスになりますが、ちょっと長く焼いたら香ばしくなっておいしい、みたいに良い影響を及ぼしたりもします。
 
リズムも一緒です。よく前ノリ、後ろノリって表現をするんですが、人によってリズムの取り方に癖があったりします。
 
この辺りは、実際に演奏する人の性格や感性、それまで培ってきた技術、演奏している環境など様々な要因が重なり変わっていきます。
 
そして、各々が持っているブレを、みんなが感じとって自分たちの演奏に反映させることでグルーヴが生まれます。
 

音を聴く以外にグルーヴを生むための簡単な方法

さて、ちょっと難しく話してしまいました。
 
深堀すれば前述の通りですが、この考えで音を捉えたり感じるまでには結構時間がかかります。そもそも音のブレが分からないとか、自分の演奏とあってるかどうか分からないとか。いやいや、ブレじゃなくてそれもうミスってるやん。みたいになることが多いんですね。
 
もちろん、音を聴くための耳を鍛えるとか、演奏力・歌唱力を磨くというのはグルーヴを生むのに必要です。というかそれを極めるのがアーティストの仕事ですよね。
 
が、しかし。そんな簡単にはできないし、そのレベルになるまでグルーヴが生まれないなんて寂しすぎます。成長するのには時間もかかりますし。
 
それよりも、グルーヴを生むために、もっと簡単に、すぐに実践できる方法があります。
 
それは、「メンバーやステージを見ながら演奏する・歌う」ことです。
 

観る頻度や精度を上げていく

方法だけ書くと非常に簡単だし、そんなのやってるに決まってるじゃん!って意見も出てくると思います。
 
ただ、ぼく自身がバンドメンバーやお客さんに「ノリやすいドラムだね」と言われるようになったのは、周りをよく見るようになってからです。(同時に音も聴くようにもなってますが。詳細は以下の記事をご覧ください!)


先ほども書きましたが、音を聴いてわずかなブレを把握し、それに合わせて演奏するというのはなかなか難しい技術です。練習すれば少しずつできるようになっていくものの、ばちっと「音めっちゃ合ったーーー気持ちいいぃぃぃ!」とはなりにくいですね。(もちろんこれを目指して練習は続けるべき)
 
そうすると次は何を頼りにするか。
 
そうです、視覚です。
 
メンバーを見るんです。
 
そもそもライブって、聴きに行くとは言いません。観に行く、と言います。
なので、お客さんからはもちろん、バンドメンバーにとっても目に見える光景は非常に重要な要素なんですね。
 
メンバーがどんなノリで、どんな思いで演奏してるのか、そして歌っているのかは音だけじゃ判断しきれません。めちゃくちゃ楽しんでるかもしれないし、音に浸ってるかもしれない。お客さんと盛り上がってるかもしれないし、メンバーと合わせようとしてるかもしれない。
 
このような雰囲気は見た目にめっちゃ現れるし、この見た目が良いほどお客さんにも楽しんでもらいやすいです。
 
また、会場の雰囲気はどうなってるのかも重要です。特にボーカルは。
 
ただ前を向いて歌うんじゃなくて、今どういう気持ちで聴いてくれてるか、ノってくれてるか、どう伝えたら一番思いが伝わるか。そういうのを意識してるかどうかで、歌い方は大きく変わってくるはずです。
 
そして楽器隊は、そのボーカルの姿を見ながら演奏することで、自然とまとまりのあるグルーヴが生まれます。
 
もちろん、単純にメンバーやお客さんに注視しろってわけではありません。当然、楽器を観なきゃ演奏できない部分も出てくるだろうし。
 
なので、視界の隅に入れておいたり、たまにはアイコンタクトしてみたり。そうすることで、見た目と音の二つの要素が、自分と周りの感情を揺らしてさらに良い演奏になります。
 
 

スタジオ練習の時から意識する

技術的な練習をするときは、演奏している自分の姿や楽器を見ることは非常に大事です。ギターやベースなんかは抑えるところを見てたほうが練習もしやすいですし。
 
ただ、それはあくまでも個人練習でやるべきです。
 
スタジオに入ってみんなで合わせるなら、それぞれのメンバーを見たり、ライブを意識した視線で練習をしましょう。
 
常日頃からノリを感じようとしてるか、作ろうとしてるか…その成果がライブで出るんです。
 
楽器隊は特に、自分の手元を見ないと演奏できない…って部分を減らす練習は必要です。何も考えなくてもパパッと演奏できる。そうなるべく練習することで技術力も向上するし、技術に余裕が出来れば周りも見れるようになります。
 
ぼくがドラムやってるからってのもありますが、周りを見る目はドラムが一番持ってなきゃいけないと考えてます。
 
グルーヴの大きな割合を占めるリズムの要だし、ステージの一番後ろからすべてを見渡せるというのは大きなメリットです。その分責任も大きいけど、だからこそドラムがかっこいいとぼくは思います。
 

最後に

単純にいい演奏すればお客さんがつく…わけはなく、ライブ一つとっても非常にいろいろな要素が組み合わさってます。
 
それがすべて高バランスで纏まっていたり、全力でやっていたり、楽しそうな雰囲気がでていたり…そういう音や見た目でお客さんがライブを楽しめるか決まってきます。
 
まずは、ぼくら自身が楽しんで自信を持った演奏ができるよう、「グルーヴ」は大事にしていきたいですね。
 
今日はここまでっ