呼び出された殺戮者:歪んだ倫理観と常識を兼ね備えた主人公が魅力的!あらすじと感想



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ネットで無料で読める「小説家になろう!」のオススメ小説ご紹介コーナー第1弾。
 
本日は『呼び出された殺戮者』をご紹介します。
 
すでに書籍化もされ、続編も出てる人気作品ですね。
 
人が多く死ぬ割にエグすぎない表現、誰しもが「それな!わかるわかる!」と同意する主人公の考え方。
 
内政や戦争があるものの、難しすぎる表現がない読みやすさ。
 
そして主人公の圧倒的強さと、独特の倫理観。
 
長編なのでサクっとは読めませんが、長編好きなぼくとしてはドンピシャでした。
 
というわけであらすじと感想、いってみましょう。

『呼び出された殺戮者』あらすじ

幼少から様々な武道を修練してきた遠野一二三(とおのひふみ)は、ある朝、稽古中異世界へ強制的に旅立つことになった。
現代日本で人を殺したいという欲求を溜め込んでいた一二三は、魔物が跋扈し、人間同士の争いもある世界だと聞いて、異世界で生きていく事を決めた。
人間の限界まで鍛えた武技と、苦もなく人を殺せる歪んだ倫理観を持った、恐ろしい男が異世界へと呼び出された……。
日本で武を極め、自力でチート能力を得た一二三。しかし現代の日本では武を披露する機会がなく、その殺人衝動を内に秘め続けていた。
 
そこに突如神様が現れ異世界に飛ばされるとに告げられる。
 
「なるほど、そこなら殺人欲求を満たせるな」
 
一二三は楽しみにしながら異世界に舞い降りた。
 
害のない人には手を出さず、敵対する者は容赦せず潰すという考え方をもった一二三は、敵対するあらゆる相手を殺して回る。
 
しかし、しばらすると、異世界人があまりに弱く、異世界の戦闘への姿勢や考え方が貧弱なため、殺すことにすら飽きてしまう。
 
戦争などの経験から知恵を絞り、様々な技術や戦術、戦い方などを生み出していた現代と比べ、異世界は命への危機感があまりにも少なく、戦い方が拙すぎる。
 
もっと真剣に命のやり取りをしたい一二三は、この世界で争いを増やし、命への危機感を増大させることで、異世界全体の「人を殺す技術」を上げさせることを決意。
 
自分と対等に戦える者を増やすために、異世界を争いの渦に巻き込むべく奔走する。
 
というお話です。
 
 
転生ものとしてはありがちな設定ですが、ちょっと違うのは「チート能力は現代で身につけてる」ってことですね。一応収納魔法用に闇属性の魔法を使えるようになってるんですが、基本的には戦闘では使いませんね。
 

『呼び出された殺戮者』面白いところ

ではでは、何が魅力的なのか、もう少し掘り下げて語ってみます!
 

一二三の戦闘における考え方

色々な戦闘漫画や小説、映画なんかを見ると、ぼくみたいなちょっとひねくれた人は誰しもがツッコむはずなんですよ。
 
「必殺技の名前言いながら攻撃とか無駄じゃね」
 
「うぉぉぉぉぉ!とか掛け声かけたら攻撃するのバレバレじゃん」
 
「話し合いとかしてる暇あったらとっとと攻撃しちゃえよ」
 
みたいなやつ。わかりますか?わかりますよね!ね!
 
もちろん、これは物語を盛り上げたり、場面を分かりやすくするための演出だということは理解しています。
 
けどまぁ、なんか現実味がなさすぎるというか、ちょっと冷めちゃうとこもあったりして…。
 
対して一二三ですが、なんと、これらと全く同じ考えを持っています。
 
一切の無駄がなく、最小限の動きで相手を倒すことだけを考える、タイトル通りの"殺戮者"です。
 
「おい、てめぇなにもんd…ぐふっ」
 
みたいに、登場してさっくりやられる人がたくさんいます。
 
それに飽きてくるとやっと無駄口を叩きながら戦うようになるんですが、基本的には無駄なく戦うし「そうそう!わかるわかる!」って考え方で戦ってくれるので非常に気持ちがいいです。
 

みるみるうちに強くなっていく兵士たち

一二三の目的は世界を争いの渦に巻き込んで、戦闘レベルを上げることです。そのため、兵士たちに自分が持ってる戦闘技術を教えたりします。
 
今までは自分と相手が正面に立って「よーいどんっ」で戦い始めるような風潮だったし、剣も力で叩きつけるだけ。障害物がある場合や、多数を相手にする環境での戦い方なども知らない状態でした。
 
それを一二三が伝授するとみるみるうちに強くなって、異世界の兵士たちがどんどん強くなっていくんですね。
 
そして、それに相対する敵も当然レベルを上げなきゃ勝てなくなって必死になる。一二三は敵味方関係なく技術を教えていくので、どんどん戦闘の様子が様変わりしていきます。
 
形は違えど、成長していく過程は見ていて楽しいですね。
 

難しすぎない世界観とキャラクター描写

ぼくは結構長編小説好きなんですが、いかんせん想像力が低いほうなんですよね。
 
なので、登場人物や国、名前や役職などがたくさん出てくると分けわかんなくなって、硬軟になるにつれてなんとな~く雰囲気を掴んでる、くらいの状態で読むことが多いです。
 
そんなぼくでもわかるくらい、難しくない世界観です。国もたくさん出てくるわけじゃないし、戦闘の舞台も少ない。人もだいたい覚えられたし、説明文も分かりやすく書いてくれてます。
 
かといって砕け過ぎず、小説としてしっかり読むことができる。
 
いいバランスだなぁと思います。
 

『呼び出された殺戮者』惜しいところ

読んでみてちょっと気になるなーってところを上げてきます。
 

戦闘描写が寂しい

基本的に7割くらいは一二三vsその他大勢の戦闘になります。
 
一応国通しで戦ったりもしますが、戦略を色々練って策で相手をハメて…みたいなのは少ないです。
 
なので、ちょっと戦闘描写が寂しいかな…と感じました。とはいえ、それが分かりやすさにつながってるって考えると、悪いってわけではありませんが。
 

魔法の存在が薄い

ファンタジーな異世界なので当然魔法使いもいるんですが、そのほとんどは火や雷を打ったり土を投げつけたりと、レパートリーが乏しいです。
 
なので基本は斬りあいになります。魔法の存在が薄いので、異世界っぽさも薄いかなぁ。
 

最後に

転生ものってハーレム系が多いですが、そこまでハーレムになるわけでもありません。
 
一二三の倫理観は常軌を逸してますが、その他は非常に優れた存在で、驕ることなく淡々と生きていく様はかっこいいです。
 
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今日はここまでっ