映画『凶悪』感想とあらすじ。寒気を覚える恐怖の演技…!※ネタバレあり
実際に起きた凶悪殺人事件「上申書殺人事件」を基にしたフィクション映画「凶悪」観ました。
なにこれ。寒気を覚えるほど怖い。
それほどの演技力を備えた役者さん、そして演出に感服しました…!
非常に多くの賞を受賞しており、高評価なのが納得する作品。今日はこちらの感想とあらすじ、いってみます!
『凶悪』あらすじ
記者である藤井(山田孝之)が、死刑囚の須藤(ピエール瀧)からの告発を受けて殺人事件を調査し、首謀者の木村(リリー・フランキー)を捕まえる、というお話。
須藤は木村にハメられて、可愛がっていた舎弟を自らの手で殺してしまいます。そして自分は刑務所行き。でも木村は普通にシャバで生活している。
それが許せなくて、メディアの力を使ってなんとか木村を捕まえて欲しい。そういう思いから藤井に依頼をしたところから始まります。
前半は、依頼を受けた藤井が事件を調査していくシーン。後半はその事件の実態を須藤や木村視点で回想するシーンになります。
その後、藤井の調査のおかげで木村が捕まりますが、残虐非道な事件にも関わらず刑が軽いことに藤井は納得できず、更なる事件の調査にのめりこんで行きます。
『凶悪』の魅力は、悪役二人の半端ないハマり具合
事件に関わったピエール瀧演じる藤井と、リリー・フランキー演じる木村。
この二人が、半端なく役にハマッてました…!
ハマりすぎてて、実際に二人は殺人を犯したことがあるんじゃないかってくらいです(汗)
それくらい、この映画の魅力はここにギュっと詰まってます
ピエール瀧は電気グルーヴというアーティストに所属していて、普段はこんな感じの面白キャラなんです。
けど本作では、それはもう見事な悪役、悪者、殺人者になります。
こんなのに絡まれたらチビります。ヘビに睨まれたカエル状態になります。間違いなく(怖
そして、それよりも圧巻なのはリリー・フランキー。
個人的には彼が演じる役は、木村が一番合ってると思ってます。
人が苦しんでいる姿を見ているときのニヤついた顔。寒気を覚えるというのは、まさにこのことです。目つきがホントにやばい。
殺した相手を処分するために、ナタでバラバラにして焼却炉で燃やす。
土地を奪うために、地主の老人を生き埋めにする。
保険金目当てに、じーさんをスタンガンで痺れさせつつ、酒を文字通り死ぬほど飲ませる。しまいには、死体を腐らせないように氷風呂に入れた状態で、すぐ横でシャワーを浴びる。
こんなことをしても全く違和感が無い二人の演技力に脱帽です。
山田孝之演じる藤井の狂気について
藤井は事件を調べていく上で、その残虐非道な行いに怒り心頭。絶対に捕まえて、絶対に死刑にしてやる。その思いから調査に没頭します。
そして、あまりに没頭しすぎて、家族や仕事を蔑ろにもしてしまいます。
認知症の母と、その面倒を見る妻がどれだけ苦労をしていても、見向きもせず、ただ犯人を捕まえることだけど考える。
正直、映画を見ているだけでは、藤井の気持ちには共感できませんでした。藤井にとっては、完全に赤の他人の事件なんですよ。家族や友人が巻き込まれたわけでもない。
にも関わらず、全てを投げ打って事件に没頭する姿には「??」って感じ。
藤井の調査は実を結び、雑誌に登載。その影響で警察は動き、木村は捕まったものの、死刑にはなりませんでした。それは、調べていた事件の一部は木村が首謀者だと断定できなかったため。
藤井は納得できず、死刑になるまで調査を続けてやると心に誓います。
そんな姿に妻は耐え切れず、離婚を決意。誰も幸せにならず、今後も幸せになりそうも無い展開に、なんとも言えないモヤモヤが残る映画。
その元凶が藤井の狂気から始まると考えれば、目立ってたのは悪役の二人とはいえ、確かに主演にふさわしいのは藤井になるのかな…。
誰しもが持っている残虐性を問われる
調査の内容が記事に載り、それを読んだ藤井の妻は「悔しいけど、あなたの記事、面白かった」と語りました。
残虐非道な事件。もし仮に身内がこんな目にあっていたら、そんなことは一切感じられない。
けど、他人事だと楽しめてしまう。
結局、人は誰しも残虐性を持っているんです。
藤井も、当然正義感から調査を続けたとは思うけど、やっぱ楽しんでた部分が無いとは言い切れないはず。
それは、こういう映画を見て楽しんでいる人もまた同じ。だからこそ、需要があるんですよね。なかなか綺麗ごとだけでは収まらないのが世の中ってことなのかな。
最後に
ということで、悪役二人の演技を楽しみつつ、心に残る映画だったので、観てよかったですね…!みなさんも是非一度はご覧くださーい!
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原作はこちら!
今日はここまでっ