バンドが一番持っちゃいけない考え方は「売れないのはお客さんのせい」
バンドでもっと売れたい!いろんな人に楽しんでもらいたい!伝えたいことたくさんある…頑張ろう!
全国のバンドマンはこういう思いを抱えて日々練習に明け暮れてますよね。
必死で音楽作って練習して、どうやってお客さんに集まってもらうか悩みまくってる。
そして頑張ってるからこそ、売れない原因を外に向けちゃう人もいたりします。今の流行りが~とか、俺らの音楽とライブハウスがあってないわ~とか。
その中で一番持っちゃいけないのが「売れないのはお客さんのせい」という考え方です。
というのもつい最近、この考えを持ってたがゆえに騒動が起きて解散しちゃったバンドがいるんですよね。
世間では当然叩かれまくって炎上しまくり。
けど、ぼくも一緒に叩いても意味ないので…こういうのは反面教師にするに限ります。
なので今日は、その騒動からぼくら自身が同じような過ちを犯さないように、炎上した理由や、逆にどのようにしたらお客さんから信頼してもらえるのかを考えてみました!
ビジュアル系バンド「暁月」の解散
ぼく自身まったく知らないバンドだったんですが、暁月というビジュアル系バンドが解散しました。
解散のきっかけとなったのが、ギター担当のryuuseiさんのツイートです。
みんないろんなバンドが解散活休して悲しがってるけどバンギャがライブにあまりいかないお金を使わないようになったのが原因の1つになっているということを自覚してほしい
— 暁月 ryuusei (@ryusei_kyogetsu) 2017年9月5日
Twiiterでこのツイート流れてきて「うわぁ、さすがにまずいでしょこれ…」って思ってたら、やっぱり炎上騒ぎになってました。そのあとに書いたブログも同様に炎上。
事態を落ち着かせようとにメンバーが協力するも、これ以上は一緒に活動するのが難しいとの判断でryuuseiさんが脱退、そして解散となりました。
なぜそのようになったか、順を追ってお話していきます。
1.『売れないのはお客さんのせい』と考えるのはアウト
解散のきっかけとなった原因が、タイトルにもある通り『売れないのはお客さんのせい』と受け取られる発言をしたからです。
ことの発端は、先ほども上げましたがこのツイート。
みんないろんなバンドが解散活休して悲しがってるけどバンギャがライブにあまりいかないお金を使わないようになったのが原因の1つになっているということを自覚してほしい
— 暁月 ryuusei (@ryusei_kyogetsu) 2017年9月5日
※バンギャ=ビジュアル系バンドのファン
バンドが解散しちゃうのはお客さんがライブに来てくれないから、グッズを買ってくれないからだよって言ってます。
「はぁ~~???」
ってなるよね。うん、なる。だから大炎上した(汗
根本の原因は、ライブに行きたいと思わせる、グッズを買いたいと思わせる活動ができてないことです。
売れない原因は、バンドの努力不足。この一言で片付くんですが、何を血迷ったのかお客さんのせいにしちゃったんですよね…。
そりゃーみんな怒るよ。バンギャたちは激オコだよ。それだけじゃなくバンド経験者などもオコだよ。
2.『ぼくらこんなに大変だから応援してね』もアウト
そして先ほどのツイートのあと、こんなブログを書いています。
ざっくり説明すると
「バンドってこんなお金かかるんだよね!大変なんだよね!だから好きなバンドにはお金つかってね!」
という内容です。
最初にノルマがいくら、機材費がいくら、メイクがいくらチケット代のバックがいくら…などなど、バンドのお金事情について書いてます。
まずこれ、お客さん相手に書いてるなら完全にいらない!
どんだけお金がかかってるかとかはお客さんから見たら関係ないです。曲のひとつひとつ、ライブの一本一本がどれだけ魅力的かってのが重要。
ただまぁ、人によっては知りたいって思うこともあるので、話しちゃだめってわけではないです。
ただ、そのあとが結構まずい。以下引用です。
まあ何が言いたいかというと物販でお金を使っていただけないと想像以上に苦しいということだ平均一人が2500しか使わないとこんな感じだよ多少のバックとかの違いあってもそこまでは変わらないと思う俺は物販買わない人だったけどさタオルとかは買ってたけど本当に好きなバンドにはお金を使うべきだなその金でより広告打ち出すしより良いイベント出れるかもしれないんだお金がある方は使う高校生は将来稼ぐために勉強するホス狂いはバンドにもちょっとくらい使ってよー
・・・。
「高校生は将来稼ぐために勉強する」とか、もう唖然としちゃいました……。
ライブに来てる人はさ、苦しんでる人を助けたいって思いで来てるわけじゃないんですよ。自分自身が楽しみたいとか、非現実的な空間で日常を忘れたいとか。そういう理由があるからなんです。
それが「金があるなら使え」ってのはちょっと…。
3.『謝罪する気のない謝罪』もアウト
騒動がかなり大きくなったので、謝罪のツイートがありました。
ツイートとブログについてです pic.twitter.com/9nxm4ePKmg
— 暁月 ryuusei (@ryusei_kyogetsu) 2017年9月6日
ぼく自身、着飾らずに本音でぶつかること自体はありだと思ってます。
今回は言い方が悪かったり、本当に伝えたい思いが表現できてなかったのかも…誰にだって過ちはある。
なので炎上したのはしょうがないし、謝罪したならあとは精一杯やって信頼を取り戻すだけだよなぁ…!
と思ってた矢先にこちらのブログが公開されました。
以下、冒頭の引用です。
ryuuseiです一連の騒動についてお話しますまず謝罪についてお前謝る気あるのかみたいな批判がすごかったです正直言って謝る気ありませんでしたメンバーが謝れといったから仕方なく謝ったまあバンドの意志です
えぇ…うそーん…。
何のための謝罪文…。
その後もツイート内容を勘違いで受け取られて困った、でも勘違いさせたのも悪かったごめんなさい的な謝罪とかあったんですが、残念ながら素直に受け取れませんよね…。
こちらのブログを見た別のメンバーさんが「もう一緒にできない」という判断をされて解散になってしまったようです。
中途半端な謝罪は意味ないどころか炎上燃料投下になっちゃいますよね。
価値を感じてもらうことを考える
ぼくがryuuseiさんの発言で強く感じたのは「お客さんに対して価値を提供しようとする意志が全然見えない」ことでした。
人がお金を払うのって、物やサービスに価値を感じるからです。
バンドや音楽で言えば、楽しめたり勇気づけられたり、その時だけは辛いことを忘れられたり…。同じ価値観をもった仲間と語り合うきっかけになったり、音楽を通じて素晴らしい体験をできたり。
そういう時間を過ごせるからこそ、わざわざ時間をかけてライブハウスに行って、高いチケット代とドリンク代を払うんです。
でもryuuseiさんの「お金払って!」には、お客さんを楽しませよう、素敵な時間を過ごしてもらおう…っていう思いが伝わってきませんでした。
正直この思いがあれば、ほとんどの問題は解決したんじゃないかなぁ…。
どうやったら価値を感じてもらえるのか。それをいろんなバンドマンが必死になって考えてる中で、こういう発言されると「なんだかなぁ…」ってなりますね。
応援してほしいってスタンスなら良いかも?
ちょっと話は変わるんですが、数日前に大道芸人を見ました。
広場で道具を広げて、ジャグリングや観てくれてる人とのコミュニケーションでみんなを楽しませてくれる、素晴らしいエンターテイナーです。
で、彼らに共通してるのが、観てくれてる人に感謝を伝えるのと、これからも活動を続けていくためにお金をくださいと正直に伝えることです。
「大道芸は、こうやって見てくださるみなさんがいないと成り立たないものです。本当にありがとうございます…!
「でも、大道芸を続けていくにはやっぱりお金が必要です。少しでも楽しいなと思ったりしたら、ほんの少しでもいいのでお気持ち…お金をください!」
これを欠かさずにやるし、しかも業務的じゃなくて、いろんな表現でぼくらを楽しませながら伝えてくれます。
最初から最後までお客さんを楽しませよう!という思いが伝わってくるからこそ、応援したいという思いが芽生えて、お金を払おうって気持ちになるんですよね。
バンドも一緒で、ほんとにお客さんのことを考えて少しでも価値を感じてほしい、楽しんでほしいといいう思いが伝われば、そのうえで今が苦しいって現状を伝えてもお客さんは支えてくれます。
アイドルなんかが典型的かな?
応援してほしければ、やっぱそれだけ自分たちも頑張らなきゃってなる。
お金を払ってください!という同じ一言でも、スタンスの違いで伝わる思いは大きく変わるので、気をつけなきゃいけないですね。
過ちを犯したら素直に謝る。
人間は誰しもが失敗します。人によって常識も違うから、考えや意見がすれ違ったり傷付けることだってあります。
もうね。そしたら素直に謝るしかないんだよ!
もちろん、難癖をつけられたりしてるだけなら謝る必要もないけど、だいたい問題が起きた場合は自分にも何らかの非があります。
それを素直に受け止めて次につなげれば、その時は騒がれてもあとで挽回できるし、誠意を分かってくれれば仲間は助けてくれます。
開き直って好き勝手に動けば周りからの反感を買うのはもちろん、だれも助けてくれなくなって相手にもされなくなる。
非を認めるって簡単ではないけど、常に気を付けたいことですね。
最後に
ということで、今回の騒動とそれについて学べることについてまとめました。
これ他人事だと思って気にしないでいると、知らぬ間に自分も同じようなことをしてしまう可能性も大いにあるんですよね。
その度に思い出して、気を付けていきたいな!
今日はここまでっ