岡崎体育が始めたファンクラブの新システムについて感じたこと
岡崎体育がファンクラブに新システムを導入することを発表し、話題になってます。
今回のシステムについて岡崎体育ご本人が内容について説明したブログはこちらです▼
内容について一部抜粋します。
今回僕が始めたファンクラブの新システムの内容は、会員ランクの設置とそのランクに応じたサービスの提供です。海外ではテイラー・スウィフトさんのファンクラブなんかが同じようなシステムを導入されているらしいですが、日本では岡崎体育が初めての事例となります。要は『岡崎体育という歌手のライブ参加やグッズ購入で「相対的に多く」お金を使ってくれたファンクラブ会員に+αのサービスを受けてもらおう』というものです。
ぼく自身はこの試みは非常に面白いと思うし、是非頑張っていただきたいなって感じてます。
もちろん批判も少なからずあるけど、応援してる人もたくさんいるし、ぼくもその内の一人です。
ということで、感じたことをまとめてみました。
誰に対してもマイナスにならないシステム
今回の岡崎体育のファンクラブは日本初の試みで、お金を多く使った人が+αのサービスを受けれるってものなんだけど……主に「ファンに優劣をつけるのか」って批判が相次いでるんだよね。
— Yuuki@2月11日 渋谷サイクロン (@karezi) 2018年2月4日
この手の批判が出るときに思うのは、「誰かに+したからって、他の人がマイナスになるわけじゃない」ってこと。
そんなに多く見た批判ではないけど、ぼくが一番引っかかったのは「ファンに優劣をつけるのか!」っていう意見。
確かに、お金をたくさん使った人がサービスを受けれるなら、そうじゃない人は相対的にサービスの質が低下することになります。
でも待って。お金を多く使わなくたって、今まで通りのサービスはちゃんと受けれるんだよ。支払ってるお金分のサービスはちゃんと受けれてるんだよ…!
これは岡崎体育も説明してます。ブログにもポイントカード的な扱いって例えがあって分かりやすい。
たくさん買い物した人が、ついてきたポイントで景品もらったり追加で買い物したりする。そのポイントに対して「あいつは優遇されてる!お金は払わないけど同じ景品くれ!」とはならないですよね。
にもかかわらず優劣をつけるって話になるのは悲しいです。
これがさ「お金を多く払った上位1000人しかライブに来れません!」とかだと話は変わってくるよ。
今まで全員が同じ金額を払い抽選されて、ランダムに選ばれた人が行けてたライブ。それがお金持ってれば行けるに変わったら「そりゃねーわ」ってなります。方法として無しではないけど、ぼくはイヤです。
でも、今回の新システムについては違います。
誰かが被害を受けたり損をするわけじゃない仕組みだから。
なのでぼくは面白いな、応援したいなって思ったんです。
そもそもアーティストが生き残っていくには
確かにアーティストはお金の為に活動してるわけではなくて、何かを伝えたかったり表現したくてやってる。
— Yuuki@2月11日 渋谷サイクロン (@karezi) 2018年2月4日
んでもやっぱ続けるためにはお金が必要で、ボランティアでは続けていけないんよ。
だから少しでもお金払っても良いって思ってもらえるようなものを作ったり表現するために頑張ってるわけで。
ぼくもバンドをやってるし、他にもアーティストやクリエイターさんの知り合いは多いけど…「お金の為にバンドやってる」みたいな人って聞いたことないんですよね。
歌ったり、楽器を演奏したり、絵をかいたり演技したり…そういうのが単純に好きで始めたり、何か伝えたいことがあって表現活動をするんです。
けど、好きなことを続けるにはお金も必要になってきます。
お金を得られるかどうかは、どれだけ人に価値を提供できたかが全てです。
そしてこの価値は人によってさまざま。
歌がうまい。楽器演奏が超テクニカルでかっこいい。人柄が好き。描いた絵を見るとドキドキする。活動の仕方が面白い、などなど…
だからこそアーティストは、いかに相手に価値を感じてもらえるかってのを考えるわけです。
自分の好きなことと、相手に楽しんでもらったり何かを得てもらったり…価値を感じてもらえることがマッチすることで、ぼくらは生き残っていけます。
今回のシステムも、いろいろ考えた結果なのでチェックしたいと感じるんですね。
お金の話はしちゃだめなの…?
これはぼくの偏見かもしれないんですが、世間的に『アーティストやクリエイターはお金の話がタブーになっている空気』を感じてます。
お金を得ようとする行為を良しとしないというか…「結局金の為にやってるんか!」みたいな。
「俺はお金ないと食っていけないから、活動を続けてほしいなら金を出せ!」みたいな発言は当然ご法度です。何様やんってなる。
たまーにこういう発言をするバンドがいて炎上しちゃったり…。
でもそうじゃなく、少しでもお金を払ってもいいと思える価値を提供したり、もっと応援したいって人がお金を使える場所を提供するのは良いことなんですよね。
そして、そういう思い自体を同じアーティストやお客さんに知ってもらうことも悪いことなんかじゃありません。
お金の話をしたり、今回のファンクラブ新システムが嫌いな人はたくさんいます。
でもこの空気が業界全体に広がっちゃうと、どんどん活動しづらい環境になって人が減ってく気がしてならないのです…。
批判してる人=価値を感じなくなった人
ぼくは今回の件を批判してる人をダメだって言うつもりは全くなくて、むしろハッキリしてていいなぁと思います。
「なーんだ、金稼ぎに走ったのか」
「ファンに優劣つけたのか」
こうやって感じるのは致し方ないことです。そう捉える人がいるのは当然だし、岡崎体育も分かってやってるはず。
なのでアーティストとしては、こういう人に価値を提供してお金をもらうってことも考えなくていいんです。
「選別してる」ってことになっちゃうけど、これはどんな仕事でも絶対必要なことだから。
全ての人に全く同じように価値を感じてもらうなんて不可能だから。
離れていったという事実は受け止めるべきだし、離れてほしくないなら何か考えや行動を変える必要があるけど…無理に全員の期待に応える必要はないです。
むしろこれを機にもっと応援したいって思う人も当然増えてる(ぼくを含む)ので、これからが楽しみだなって思います。
もちろん、懸念点もある
社会報酬系モデルで動作してるコミュニティに、金銭報酬をモチベに導入すると何が起こるか。ユーザーは「超利己的に振る舞う」ようになり「利他的行動が激減する」、一度でも金銭系のメンタルモデルになると、基本的に社会報酬モデルには二度と戻れない
— 深津 貴之 / THE GUILD (@fladdict) 2018年2月5日
今回はお金が絡んでる関係上、どうしても従来と違う形の運営になっちゃいます。その際の懸念点を上記ツイートは説いてて…なるほどなぁと思った。
だからこそ、今後の動向が気になるんだけどね…!
最後に
新しい試みって批判もあれば物議をかもすこともあるけど、向き合わなきゃいけないもの。同じアーティストとして色々考えさせられる出来事でした。
今日はここまでっ