映画『22年目の告白 私が殺人犯です』あらすじ感想(ネタバレ有)劇場でがっつり欺かれてきました



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藤原竜也といえば数々のクズ役を完璧に表現してきた男です。夜神月(デスノート)、カイジ、清丸国秀(藁の盾)、志々雄真実(るろうに剣心)などなど、ほんとに毎回驚かされるくらいクズになりきってぼくらを楽しませてくれます。
 
そして今回は、時効を迎えた連続殺人犯という役。時効後の告発、本の出版、サイン会など常人ではありえない行動にでる。まさにクズここに極まれ!!という作品が2017年6月10日に公開となりました。
 
『22年目の告白 私が殺人犯です』
 
ぼくは普段映画館で映画を観る習慣がなくて、行く時は2つのパターンだけです。
 
1.友人に誘われたとき
2.気になって気になって夜も眠れない映画を見つけたとき
 
はい、今回は当然後者!生まれて始めて、公開日初日に映画館に足を運びました。
 
そしてその期待を裏切らない、素晴らしい作品でした…!!!
 
ということで、本日はネタバレをがっつり含んで物語の詳細、そして感想を書いていきます。
 
映画観るけど先に内容知りたい!
観ないけど内容だけ気になる!
内容を復習したい!
 
っというあなたは読んで見てください。詳細は長いので、ぱっと読み人は「物語まとめ」からどうぞ。
 
ネタバレいやだよー!ってあなたはブラウザバックをお願いしますm(_ _)m
※画像や公式HPや動画からお借りしてます

 

『22年目の告白-私が殺人犯です-』あらすじ

1995年、5人の命が奪われる殺人事件があった。しかし警察は犯人を捕まえることができず、22年後に時効を迎えてしまう。
 
そして時効を迎えた当日、なんと犯人が自ら名乗り出た。会見場に現れたのは曾根崎雅人(藤原竜也)
 
事件の真相を自ら記した 『22年目の告白-私が殺人犯です-』という本を片手に登壇。その風貌や知略、大胆な行動から賛否両論あるものの世間は熱狂する。もちろん、本はベストセラーとなった。
 
それだけに留まらず、曾根崎は被害者遺族へ直接出向き謝罪をしたり、警察を挑発したり、なんとサイン会まで開くなど、異常な行動を繰り返していく。
 
殺された被害者の遺族や、上司を殺され犯人を追い続けてきた牧村航(伊藤英明)たちは怒りで震えるものの、時効を迎えた犯人を捕まえることはできない。なぜ曾根崎はメディアに露出するのか。遺族や警察の心を抉っていくのか。誰もわからないまま、遺族や国民は揺さぶられていく。
 
そんなある日、ニュース番組「NEWS EYES」に曾根崎が生出演することとなった。
 
このテレビ出演が、日本中を震わせる新たなゲームの始まりとは知らずに…。
 

『22年目の告白-私が殺人犯です-』キャスト

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メインキャストについては、この相関図を観て頂くと分かりやすいです。豪華なキャストですよねー。
 
ではここから、詳細に物語を追っていきます…!
 

『22年目の告白-私が殺人犯です-』本編の流れ

 

曾根崎登場と殺人ルール公開

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登場までの経緯はあらすじに書いたとおりです。
そしてここで曾根崎は、殺人を行う際に自分に課したルールを3つ、公開します。
 
1.殺人方法は背後からの絞殺
2.殺人する瞬間を、最愛の人に見せつける
3.見せつけた人は、殺さない
 
警察やメディアが無能で一向に自分に追いつく気配が無い。そのために、目撃者をあえて生かしていた。
 
生かされた遺族は、最愛の人が目の前で殺される瞬間を見せつけられている。これほどの屈辱はなく、誰もが曾根崎を殺したいと強い怒りを持っている。しかし、時効のため捕まえられない…。
 
ちなみに、日本では現在時効が撤廃されています。しかし、今回の殺人事件は、最後の殺人が時効撤廃が決まる前日に行われていました。そこまで計算してやられていたのが、悔しくてたまらない…。
 

多くのメディア露出

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記者会見後、曾根崎は多くのメディアを引きつれ、山縣明寛(岩松了)の元に直接謝罪に向かう。
 
病院のロビーで土下座をし、謝罪する。しかし、時効を迎えてから謝られたところで、遺族の怒りが消えるはずがありません。
 
更に、その場には牧村もいました。当時牧村は曾根崎をあと一歩というところまで追い詰めましたが、ギリギリ逃げられてしまった。その過去から、被害者が殺されてしまったのは自分のせいだ、と苛まれている部分も少なからずあったんです。
 
そこに曾根崎は挑発にかかります。「これは…牧村警部じゃないですか。お元気でしたか」と握手を求め、さらには牧村に対し何らかの耳打ちをする。それに牧村は激昂し、曾根崎に掴みかかります。
 
ただただ、過去をぶり返され怒り狂わされた山縣と牧村。曾根崎のクズっぷりが発揮されていますね。
 

曾根崎のサイン会を開く

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出版した本がベストセラーになり、LINEスタンプも作られ、曾根崎は日本中で人気者となりました。その勢いは留まることを知らず、なんとサイン会を開くことに。
 
長蛇の列を越えたその先に曾根崎がいて、サインを書いて握手をしてくれる。並んだものたちは喜びの声を上げ、サイン会は大盛り上がりを見せます。
 
そんなサイン会について、牧村はある噂を聞く。被害者遺族であり橘組組長の橘(岩城滉一)が、自分の部下である戸田丈(早乙女太一)に曾根崎を殺させるため、サイン会に向かわせている。
 
牧村は戸田を止めるために現場に直行するものの、それに気づいた戸田が曾根崎に向かって発砲。幸いにも弾は外れ被害者は出なかったけど、サイン会は恐怖に包まれました。
 
さらにはそのスキを見て、岸美晴(夏帆)が曾根崎を殺しにかかります。彼女は曾根崎に父親を殺されており、強い怒りを秘めています。岸の殺人も牧村が止めましたが、「なんで殺しちゃいけないの!殺せば、あたしのパパも天国にいけるのに…」と泣き崩れる。
 
それぞれの被害者は、どんな手を使ってでも曾根崎を殺したい。そこまで憎ませることを、曾根崎は行っていました。
 

ニュース番組の生放送に曾根崎が出演する

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今までどの報道局も「さすがに殺人犯を生放送はちょっと…」と避けてきましたが、NEWS EYESのメインキャスターの仙堂俊雄(仲村トオル)は「警察が裁けないのであれば、ジャーナリストが裁くべき」「都合の悪いものほど面白い」と、曾根崎の生出演を検討し、実行されることに。
 
仙堂は過去にこの事件を追いかけて膨大な調査資料を作成し、その成果を認められ今の地位にいます。ようは、牧村ら警察と同じくらい、この事件に関しての知識を持っている、ということ。
 
そんな背景もあり、とうとうテレビ生放送で、仙堂に対してインタビューをする機会を得ました。
 
 
…はい。
 
この映画は、ここからが本番です。今までのは全てオープニングのようなもの!
 
この生放送をきっかけに、物語は一気に加速します。
 

本には書かれていない被害者がいる…?

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時効を迎えた殺人事件。この事件では、5人の被害者がいます。そしてその5人の殺害方法などを曾根崎は出版しました。
 
しかし、仙堂は言いました。「この事件を追い続けてきたぼくには、不思議な点があります。それは、この本には書かれていない事件があるのではないか、ということです」
 
話は22年前に遡ります。
 
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牧村は両親を小さい頃に無くし、一人で暮らしていました。妹の牧村美香(石橋杏奈)は関西で暮らしていましたが、阪神淡路大震災によって被災。祖父と祖母、そして家を無くしました。そのとき支えてくれたのが恋人の小野寺拓巳(野村周平)。家も無く途方にくれていた二人は、美香の兄の家でお世話になることに。3人暮らしとなりました。
 
美香は震災の影響で心を病んでいて、時折様子がおかしくなります。しかし拓巳は美香を支えたい、幸せにしたい一心から美香にプロポーズ。指輪を薬指にはめて、これから幸せな道を歩んでいく、はずでした。
 
今回の殺人事件の最後の被害者は滝幸宏(平田満)。牧村の上司であり、一緒になってこの事件を追っていました。
 
そんな時、犯人から警察宛に犯行声明が届きます。「次の遺体は牧村の家だ」牧村含め警察はいっせいに牧村の家に向かいました。
 
家の扉を空けると、ガスのにおいが充満している。注意しならが滝が部屋に進むと、そこには罠が仕掛けてあった。罠が発動し、ガスが充満していた牧村の家は爆発。牧村の目の前で、滝が亡くなりました。
 
ここまでは本にも載ってるし、みんな知ってます。問題はここから。
 
この事件後、美香が行方不明になっています。拓巳がつけていた指輪だけを残して。
 
牧村家に住んでいたはずなので、もし自宅にいれば爆発に巻き込まれて見つかるはず。たまたま外出していても、行方不明になることはありません。
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仙堂は言います。「婚約を控え、これから歩き出そうとしていた美香さんは未だに行方不明。状況やタイミングから、この事件に巻き込まれている可能性が高い。にも関わらず、本ではこのことに触れていない!」
 

真犯人と名乗る人物の登場

仙堂の発言はそれだけでは終わりません。「そして更に、今から3時間前ほど。動画アップロードサイトに、真犯人と名乗る人物から投稿が有りました
 
その動画には、牧村家が爆発した瞬間をどこか遠くから撮影したものが映し出される。曾根崎は捏造だと言うものの、その根拠を出せるわけではない。
 
真犯人は言います。「曾根崎は詐欺師だ。犯人を名乗って金を稼いでいるが、本物は俺だ」
 
そして後日「曾根崎と牧村を出演させるなら、俺も生放送に出てやってもいい」という話に。
 
曾根崎、牧村、仙堂、そして真犯人。この4人が対面する生放送が実現します。
 

真犯人の上げた動画の続きとは

4人が揃ったところで、曾根崎と真犯人で「どちらが本当に犯人か」という口論になりましたが、当然話だけでは分かりません。(真犯人は覆面をしていて誰か分かりません)
 
そして真犯人は抜かりなく、更なる証拠となる動画を持ってきました。それが、前回上げた動画の続きです。これを見れば、間違いなく俺が真犯人だと証明できる、と。
 
まずはテレビで放送できるか、一部のスタッフで内容を確認します。
 
答えはNo。理由は「残虐すぎるから」
 
そこで、テレビには流さず、揃った4人やスタッフのみで確認することに。
 
現場が緊迫する中、動画が流れ始める。最初は前回あげた動画の続き。牧村家が爆発するところから。そしてそのあと、手元にカメラアングルが変わる。
 
そこに映し出されていたのは、事件後に行方不明になっていた美香でした。
 
拘束され、カメラを撮ってる犯人に向けて涙ながら睨んでいる。そしてその後、カメラの目の前で、犯人が美香の首を絞める。今までの事件と同様、絞殺します。

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この映像を見た牧村は、泣き崩れます。22年前から行方不明になった妹。死に物狂いで探し続けてきた結末が、絞殺されていたという悲惨な事実として、そしてその現場が映像として自分の目に入って切る。言葉は出ず、頭を抱え、嗚咽を漏らして泣き崩れるほかありませんでした。(ここが一番、胸が締め付けられる場面でした…)
 
映像が終わり、現場は牧村の嗚咽だけを残し静寂に包まれる。誰もが、言葉がでません。
 
ただし、真犯人を除いて。
 
「これで分かったろ?俺が真犯人だよ。ハッハッハっ」
 

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そのとき動き出したのは牧村ではなく、曾根崎でした。仙堂の持つペンを奪い取り、なんと真犯人に切りかかったんです。
 
それにあわせ牧村も真犯人を追い詰めようと掴みかかるも、周りに止められます。
 

曾根崎の正体とは…?

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怒り狂い暴れたものの、抑えられた曾根崎。仙堂は問い詰めます。「あなたの正体は、一体なんなんだ!今この場で、あなたは語らなければならない!」
 
そして曾根崎は言います。
 
「ぼくは、犯人ではありません。」「この本も、書いていません」と。
 
時効成立直後から日本を振るわせた殺人犯。そう思われていた曾根崎は、実は犯人ではなかったのです。
 
そして驚きはまだ続きます。
 
「この本を書いたのは私です」そう言ったのは、牧村でした。
 
更に曾根崎の正体についてもこう言います。「彼は妹の美香の婚約者だった、小野寺拓巳です」
 

生まれ変わっていた曾根崎

美香が行方不明になったあと、指輪だけを見つけた拓巳は激しく取り乱しました。当然です。愛した人が被災して辛い思いをして、それでも頑張って立ち直ろうとして東京に来たら殺人事件に巻き込まれて行方不明になる。
 
美香が何をしたんだ、と。東京に呼んだぼくが悪いのか、と。
 
そうして自分を追い詰めた拓巳は自殺を試みます。
 
自殺は失敗に終わり一命を取り留めたものの、ずっと死にたがる拓巳。牧村はずっと拓巳を支えながら、事件を追っていきました。行方不明になった美香を見つけるため。
 
そして事件からしばらくしたあと、拓巳はこう言いました。「ぼくは生まれ変わりたい」
 
その思いに協力してくれる人がいました。被害者遺族である山縣です。彼は自身の医師としての力を使い、拓巳を整形。戸籍も変え、拓巳は曾根崎として生まれ変わったのです。そして牧村と協力し、何とか真犯人を捕まえる、そして美香を見つけるために全てを投げ打つことにしました。
 
牧村の様々な調査から、真犯人の性格は把握していました。いわく、負けず嫌いでプライドが高い。完ぺき主義者である。
 
それを利用し、犯人を誘き出す作戦を決行しました。今まで調査した内容を暴露し、犯人を世にだし人気者に仕立て上げる。自分より有名になるものに対しての劣等感や、真実を書ききっていない本に対するプライドなどを刺激する。そしてその作戦通り、まんまと真犯人はひっかかりテレビに出演しました。
 

真犯人は真犯人じゃなかった…!

事件の真相は解明した。曾根崎は犯人ではなく、仮面を被った男こそ真犯人だった…!と思いきや、真犯人から驚きに事実が告げられる。
 
「ち、ちがう!俺は真犯人じゃない…!ネットで匿名で頼まれてやっただけなんだ!」
 
テレビに出演していた男は、まさかの影武者だったのです。その証拠に、男の右肩に銃痕がありませんでした。
 
牧村は犯人を追い詰めたとき、殺されそうになった為に犯人の右肩に銃を撃っています。真犯人であれば、必ず銃痕が残っているはず。
 
人生の全てを投げ打って、事実を解明した。しかし、犯人は未だに見つからず…。悔しさを上塗りしただけの一幕となってしまいました。
 

調査を諦める…わけがない

牧村と拓巳(見た目は曾根崎)は途方にくれる…わけでもなく、死に物狂いで調査を続けていきます。
 
拓巳 は言います。「ぼくは一度死んだ身だ。美香のためなら、何度だって死ねる」
 
そうして調査を進めていくうちに、拓巳は犯人の目星を見つけ、牧村は犯人を法的に裁けるかもしれないヒントを見つけました。
 
拓巳 は犯人を追い詰めるため、とある場所に車を走らせます。
 

今度こそ真犯人を追い詰める二人

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場面はとある別荘に移ります。山の奥深くにある豪邸。そこは、NEWS EYESのメインキャスターである仙堂の別荘でした。
 
仙堂はとある番組で密着取材を受けており、この日も二人のスタッフと共に別荘を歩きながら取材を受けていました。
 
そこで仙堂はふと気付きます。「誰かがこの家に入ってきてる」
 
この取材を行うことはスタッフにしか話していない。一体誰が。家をくまなく探していると、地下室に一人の影を見つけます。
 
拓巳でした
 
調査を終え拓巳が向かった先は仙堂の別荘。ということは…
 
そう、真犯人は仙堂だったのです…!
 
証拠は二つ。ひとつは、仙堂の別荘に、美香の殺人を含め、残り5人の殺人記録動画が全て残っていたこと。
 
そしてもうひとつは、仙堂が美香が婚約していることを知っていたことです。(曾根崎とテレビ共演したときに口走っている)
 
当時、プロポーズをして指輪をはめたことを知っていたのは、牧村と当人達だけ。他に知るものがいるとすれば、美香から指輪をぬいた、犯人のみ。
 
フリージャーナリスト時代から目まぐるしい活躍を見せ、今や毎晩放送されるニュース番組のメインキャスターである仙堂こそが、真犯人でした。
 
仙堂はフリージャーナリスト時代、海外で取材をしているときに、現地で知り合った友人と二人で敵対勢力に捕まった。そのとき、友人だけ殺され、自分だけ生かされた過去を持つ。だからこそ、同様の手口で殺人を犯していた。
 
 
拓巳が仙堂を殺そうと首を絞めているとき、遅れて牧村がやってます。
 
そしてこう言います「拓巳、やめろ!そいつは、法で裁くことができる!」
 
時効を迎えたからこそのこの悲劇。何を言っているんだ、と思いきや、まだ続きます。
 
「美香が絞殺されるとき、画面に映っていた東京タワーの電気は消えていた。当時、東京タワーは0時になると電気が消えるんだ。そうだ。時効という概念がなくなったその日に、美香は殺されている。だからこいつは法で裁けるんだ!
 
 
その後、仙堂の別荘の近くで美香のものと思われる遺体が発見されました。仙堂は捕まり、今度こそ事件は終わりを迎えます。
 

物語まとめ

詳細な物語をだいぶ長く書いたので、整理も兼ねてまとめます!
 
  • 22年前の殺人事件が時効を迎えた当日、犯人「曾根崎」が自ら名乗り出る。事件の全貌を書いた本を出版し、メディアに露出。大胆不敵な行動をイケメンっぷりで日本中が沸きだつ。

  • この殺人事件は、被害者の家族や愛する人などが、殺された場面を目の前で目撃している。そのため、残された者達は曾根崎に深い恨みを持ち、殺しを仕掛けることもあった。尊敬する上司を殺された「牧村」も事件を曾根崎から挑発もされ憤っていた。
     
  • 警察が裁けないならジャーナリストが裁こう!という理由で、ニュース番組のメインキャスター「仙堂」は曾根崎をテレビに生出演させる。そして質問を投げかける。「この本に書いていない事件が残されているのでは?」
     
  • その後、真犯人と名乗るものが現れ、曾根崎、牧村、仙堂、真犯人の4人でテレビ出演をすることに。真犯人は自分こそが犯人だ!という証拠となる動画を公開。そこには、本に書かれていない被害者の殺人映像が映っていた。被害者は22年前の事件後から行方不明になっていた、牧村の妹「美香」だった。
     
  • 決定的な動画が証拠となり、曾根崎が犯人で無いことが発覚した。その正体は、殺された美香の婚約者の「拓巳」だった。彼は整形をして、戸籍も変え、真犯人をおびき寄せるために犯人の振りをしてメディアに露出しまくったのだ。本を書いたのは牧村。調査で知りえた情報を元に作った。
     
  • 真実が明らかになったと思いきや、テレビに出ていた真犯人はネットで匿名の依頼を受けていただけの人だった。実際に殺人を犯し、動画を撮っていた犯人の行方は未だに分からないままだった。
     
  • しかし拓巳の調査の結果、犯人を発見。なんとメインキャスターの仙堂が真犯人だった。フリージャーナリスト時代、海外で取材をしているときに、現地で知り合った友人と二人で敵対勢力に捕まった。そのとき、友人だけ殺され、自分だけ生かされた過去を持つ。だからこそ、同様の手口で殺人を犯していた。
     
  • そして牧村の調査の結果、美香を殺していた日は時効が成立しない日になっていたため、法で裁けることが発覚。仙堂は捕まり、行方不明だった美香の死体の見つかった。日本を震撼させた殺人事件は、22年越しに幕を閉じたのである。

『22年目の告白-私が殺人犯です-』面白かったところ

ここからはぼくが記憶に残ったシーンや、面白いなぁ…すごいなぁ…見ごたえあるなぁ…!と思ったことについて語っていきます。
 

藤原竜也=クズ役という心理を徹底利用した脚本

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この作品の宣伝映像とかが流れてきたときに、「藤原竜也が殺人犯とか違和感なさすぎるわ」みたいな呟きを見つけたんですが、ほんとそれ。
 
冒頭にも書いたように、夜神月(デスノート)、カイジ、清丸国秀(藁の盾)、志々雄真実(るろうに剣心)などなど…数々のクズ役を圧巻の演技力で完璧にこなしてきた彼。
 
今回の予告を見たときも、「今度は一体どんなクズっぷりを見せてくれるんだろう…!」という期待に満ちていました。
 
これがすでに罠とも知らずに…
 
実際にはただの被害者であり、クズ要素は全然ない人の役。真犯人への道筋を霞ませる素晴らしい配役ですね。
 
真犯人が出てきたときも、だいぶ小物感があったんで、どういう風に撃退するのかなー…と思ってみてたら、まさか本当に犯人じゃないとは…驚きました。
 
もちろん、他のキャストも素晴らしかったですよ。岩城滉一のヤクザの組長とか合いすぎでしょう(笑
 

22年前の過去パート撮影の再現度

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22年前というと今ある建物や服、町並みの雰囲気なんて全然違います。
 
そんな舞台を頻繁に出す物語なわけで、これかなり苦労してるなぁ…違和感なさすぎてすごいなぁ…と思ってました。そして公式HPを観てみると案の定、ただならぬこだわりを持って作られています。
 
バス停の前で当然のようにタバコを吸う人がいたり、現在は販売されていないジュースの自動販売機なんかもありました(マニアの方からお借りしたそうです…!)
 
カメラも過去っぽさを表すために非常に凝ったようで、こういう積み重ねが映画の質を上げるんだなぁ…と唸りました。
 

テレビシーンの完成度の高さ

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まさに現代行われているテレビのニュース番組の作りにカメラワーク、話の進め方。
 
そしてキーパーソン4人の本気のやり取り。とにかく迫力がすごくて、ずっと緊張しながら見ることができました。
 
ぼくって結構裏を読んじゃうというか、次の展開を考えながら映画を観ちゃうタイプなんですが…演出とか音響とかの影響なのかな。あまりそういうことを考えず没頭できた、というかさせられた感があります。
 
仙堂が真犯人とわかるきっかけになった「美香が婚約している」発言も、サスペンスに強い人なら一発でわかっちゃうだろうし、言われてみれば「あーそりゃそうだよな」って思うところなんだけど、そういうところに意識を行かせないくらいの脚本、演出、演技だったのかなぁ…と。
 
素直に「やられた!」って思いました(笑
 

その他リアリティ溢れる演出

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事件の全容や時効について説明するワイドショー番組。
 
マスコミの騒ぎ方。
 
一般人の急激な盛り上がり方と、残された遺族の怒り。
 
さまざまな場面で、今の日本にマッチするリアリティ溢れる映像がたくさん出てきた印象です。だからこそ観やすいというか、次の展開にドキドキするんですよね。
 
逆に素直すぎる人だと疲れちゃうかも。一緒に見に行った友人が「リアルすぎて遺族の気持ちが痛い…悲しい…」としょぼくれてました(笑
 

最後に

これはかなりの話題作になるんじゃないかなー…。
 
恐らくサスペンス慣れしてる人からするとあっけなく真犯人分かっちゃったり展開読めちゃうのかもだけど、そうじゃない人ならかなり楽しんで観れますね!
 
是非是非、劇場で見ちゃってください!
 
原作も読むぞー!気になる人は一緒に読もう!
 
今日はここまでっ